1 開催日時

令和5年11月16日(木)午後1時15分から午後5時までの間

2 開催場所

長崎県公安委員会会議室

3 委員発言

(1) 委員から、

「今週月曜日(11月13日)に大分県大分市で開催された九州管区内公安委員会連絡会議に出席した。
協議議題は「児童虐待防止・早期対応等について」であり、3県の公安委員会から発表があったが、警察から見た児童虐待等防止に関するキーワードは「他機関との連携」ということであった。
これは、県民の方から虐待に関する通報を受けた際には関係機関と連絡・調整し、虐待されている子どもたちを早期に発見して、専門機関において必要な対応を行うということが非常に重要であるということであり、私もそのとおりであると感じている。
この協議の後には「社会の変化に適応する組織作り」を議題とした討議が行われ、長崎県警察の現状について、「人材の確保」、「若手職員の育成」、「女性職員の活躍推進」、「職場環境等への対応」等について、例えば、「人材の確保」として警察官採用試験にSPI試験を導入したことや、採用試験の日程を前倒ししたことなど、警察官の採用活動においてかなりの工夫をしているということを含めて説明を行った。
この討議の中で印象的であったことの一つは「カスタマー・ハラスメント」に関するもので、どの県においてもこの言葉に対しては敏感に反応しており、より良い職場環境等への対応ということを考えると、不当なクレーム等から組織的に職員を守らなければならないという意識が強まっているのだと感じた。
九州管区内公安委員会連絡会議は年に2回開催されるが、九州管区内の公安委員が一堂に会して各県の状況を話すのは良いことであり、また、このような機会には、公安委員会を補佐する各県警察の方々だけの協議の場を持つことも必要ではないか、といった意見も聞かれた。」
との発言があった。

(2) 委員から、

「九州管区内公安委員会連絡会議についてであるが、「児童虐待防止・早期対応等」に関する協議では、広く多様な組織との連携を行い、子どもが虐待に遭っているのをどのように発見するかという問題について、例えば、「学校であれば養護室が子どもに関する情報を一番持っているのではないか」ということや、「これまでは服を脱がせて学校検診を行っていたので、虐待による傷やあざなどを発見する機会があったが、生徒からの「服を脱ぐのが恥ずかしい」という意見により難しくなってきた」という話があった。
これについては、「隠れた傷は見えない所にあり、服を脱がずに外形的なもので判断することは困難であるので、学校健診における虐待の早期発見を期待するのであれば、学校や警察、医師会などと協力して、別室で行うなどの対応も考えられるのではないか」といった意見があり、とても印象的であった。
次に、「社会の変化に適応する組織作り」に関する討議では、討議が終わった後も、他県の公安委員から「採用活動の状況はどうか」といった質問や、「長崎県警察は工夫して頑張っている」などの好意的な意見が聞かれた。
そのような中、「人材育成交番」については、とても良い試みであるが、育成される個々の能力が異なることを考えると、今後、「万能型」や「専門型」それぞれの人材として育成していくのだとしても、これらの基礎となる能力をそれぞれの育成交番で養えるように、誰もが認識できる到達度を示す指標のようなものに裏付けられた仕組みがあればいい、といった意見が聞かれた。
育成を行う指導員が、育成しやすい方法を考えて、どんどん進めてほしいと感じている。
次に、報道されている「大麻グミ」に関することであるが、状況としては、祭りの会場で「グミを食べませんか」と言って配って回っていたとのことであり、「知らない人から食べ物をもらっても口にしてはいけない」とは言われてはいるものの、祭りの会場等で綺麗に包装されている食べ物を「好きなだけ取っていいよ」と言われたら、取って食べる人がいてもおかしくないのではないかと思うので、今回の事案については、かえって怖いことではないかと気になった。」
との発言があった。

(3) 委員から、

「先般(11月9日)、長崎県警察の警察官の不祥事が発表された。
本日(11月16日)も京都府警察の警察官が、捜査現場から現金などを着服したという、あるまじき行為の報道が出ていた。
世の中には不祥事といわれる事案はたくさんあるが、その中でも、やはり公務員がやることに対する世間の目は一段厳しいし、その公務員の中でも警察官は最もそのようなことをやってはいけない職種なのだと思う。
今回検挙された長崎県警察の警察官は22歳の若者とのことであるが、プライベートであれば何をしても良いということではなく、プライベートであっても「自分は警察官なんだ」、「この世の中の犯罪など、公序良俗に反するようなことを絶対にしてはいけないんだ」という自覚がまだ足りなかったのだろうと感じた。
再発防止策と言ってもこれといったものはなく、やはり日頃の教育や指導が中心となるのだと思う。
どのような職場でも不祥事というものはあり、発生する度に再発防止策を立てるのであるが、システマティックに不祥事を防止しようと策を講じても、「見つかってもいいや」と考えて行われれば防ぎようがないので、やはり、究極的には、その人の職業マインド、仕事に対する意識に尽きるところがある。
警察学校時の指導についてはもちろん徹底して行っているのであろうが、「自分は警察官という特別な職についているのだ」という覚悟といったものをたたき込んでいただきたいと願っている。」
との発言があった。

4 警察本部長発言

警察本部長から、
「警察官の不祥事に関する委員からの御指摘については正にそのとおりであり、今回の事案は犯罪行為であり、深く考えるまでもなく、すぐに悪いことであるとわかる事案である。
そのため、再発防止については難しい面があるということを認識の上、繰り返し、繰り返し指導を行っていかなければならないと思っている。
次に、「カスタマー・ハラスメント」についてであるが、全国的にも福岡県警察が先駆けて対応を行っているとのことであり、確かに、必要な職員の力を必要なところに振り分けることは非常に大事なことであると思っている。
他方、おそらく福岡県警察では導入から開始に至るまでに、マニュアルあるいは組織的にどのように対処するか、幹部がどのようにフォローを行うかなどの相応な準備を行い、指導・習熟を行って始めたものではないかと思う。
今後は、本県警察も含めて、各県警察がこれに続いていくのではないかと感じている。
職員を守るためにもしっかりとした準備を行った上で進めていく必要があり、福岡県警察の事例など、各県とも情報共有・情報交換を行いながら検討を行っていく。
「大麻グミ」については、報道以上の情報はないものの、昨今は脱法ドラッグが増えてきているという話もあるので、そのようなところには注意をしていかなければならないと思っている。」
との発言があった。

5 協議事項

(1) 「「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議」警備に伴う援助の要求について

警察から、
「「「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議」警備に伴う援助の要求(案)」
について説明があり、協議の上、原案どおり決定した。

(2) 令和5年度普通会計定期監査(前期)措置状況について

警察から、
「令和5年度普通会計定期監査(前期)措置状況(案)」
について説明があり、協議の上、原案どおり決定した。

(3) 保有個人情報部分開示決定に係る審査請求に対する裁決について

警察から、
「保有個人情報部分開示決定に係る審査請求に対する裁決(案)」
について説明があり、協議の上、原案どおり決定した。

(4) 長崎県道路交通法施行細則の一部改正に伴う意見公募手続(パブリックコメント)の実施について

警察から、
「長崎県道路交通法施行細則の一部改正に伴う意見公募手続(パブリックコメント)の実施(案)」
について説明があり、協議の上、原案どおり決定した。

(5) 信号機の新設及び廃止について

警察から、
「信号機の新設及び廃止(案)」
について説明があり、協議の上、原案どおり決定した。

(6) 運転免許の行政処分(取消し)について

警察から、
「運転免許の行政処分(取消し)(案)」
について説明があり、協議の上、原案どおり決定した。

(7) 運転免許の行政処分(事後取消し)について

警察から、
「運転免許の行政処分(事後取消し)(案)」
について説明があり、協議の上、原案どおり決定した。

6 報告事項

(1) 県議会「令和5年11月定例会」の会期等について

警察から、
「令和5年11月定例会は、本年11月27日(月)から12月20日(水)までの24日間を会期として開催される予定である。
警察本部関係の提出議案等(総務委員会関係)は、
○ 議案 2件
・職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例(条例議案)
・長崎県総合計画チェンジ&チャレンジ2025の変更について
(計画議案)
○ 議案外の報告事項(知事専決事項関係) 6件
である。」
との報告があった。

(2) 令和6年度当初予算要求の概要について

警察から、
「県警察における令和6年度当初予算については、本県の厳しい財政状況を鑑み、見直し可能な経費の縮減を図る一方、「安全で安心な長崎県」の実現のため、治安情勢に的確に対応するべく必要な予算を確保するための予算編成作業を行い、物件費総額で96億9,600万円の予算を要求することとしている。
主要事業の要求概要としては、
○ 犯罪から県民を守る総合的な取組の推進(7億円)
○ サイバー空間の脅威への的確な対処(1,700万円)
○ 悪質・重要犯罪の徹底検挙と組織犯罪対策の推進(3億200万円)
○ 交通死亡事故・重傷事故抑止対策の推進(18億1,400万円)
○ 治安情勢の変化や緊急事態への的確な対処(1億5,100万円)
○ 活力に満ちた魅力ある職場環境の確立(41億5,700万円)
○ 県民の要望等を反映した活動の推進(8,800万円)
○ 国民文化祭等に伴う警備対策経費(1,200万)
となっている。」
との報告があった。

(3) 第8回金融犯罪の被害撲滅に向けた関係者連携会議の開催予定について

警察から、
「令和5年11月28日(火)、県警察本部において「第8回金融犯罪の被害撲滅に向けた関係者連携会議」を開催する。
同会議は、財務省福岡財務支局との共催で、ニセ電話詐欺の被害実態に係る情報共有や被害の根絶に向けて金融機関が一丸となった水際対策等を強化することを目的として開催するものであり、今回が8回目となる。
同会議には、本県警察のほか
○ 長崎県内に所在する銀行協会、信用組合協会、信用金庫協会及び各金融機関
○ 財務省福岡財務支局及び長崎財務事務所
など合計28の機関・団体が出席し、
○ 開会挨拶(長崎財務事務所長)
○ ニセ電話詐欺の発生状況及び対策
○ ニセ電話詐欺グループ犯行手口及び検挙事例紹介
○ 金融機関に対する依頼事項
○ 金融機関取組事例発表(十八親和銀行、日本郵便)
○ サイバー犯罪対策
○ 意見交換・質疑応答
○ 閉会挨拶(生活安全部長)
を行う。
なお、「金融機関に対する依頼事項」については、
○ ニセ電話詐欺の予兆事案認知時の情報共有と窓口対応の強化
○ 「ストップ!ATMでの携帯電話」運動の継続実施
○ 窓口確認シートを活用した声掛けの継続実施
○ 窓口対応時の注意喚起チラシの活用
の4点に関する協力依頼を行うこととしている。」
との報告があった。

(4) 優良地域警察官家族表彰式の開催予定について

警察から、
「令和5年11月22日(水)、県警察本部において、「優良地域警察官家族表彰式」を開催する。
同表彰式は、駐在所勤務員の警察活動を支え、功労が顕著と認められる警察官家族に本部長感謝状を贈呈するものであり、本年は、10人の方が受賞する。
表彰式終了後には、受賞者と公安委員会委員、警察本部長以下地域部幹部との懇談会を開催する予定である。」
との報告があった。

(5) 収賄事件被疑者の検挙について

警察から、
「本件は、南島原市職員として同市の防災関係業務を担当していた被疑者(50歳男性)が、南島原市が令和3年10月に発注した「防災行政無線施設機能拡充等整備工事調査設計業務委託」に関し、特定の業者が特命随意契約で受注できるようにするなど有利かつ便宜な取り計らいをしたことに対する謝礼として、令和3年10月下旬から同年12月下旬までの間、3回にわたり、熊本市内の飲食店において、同業者から合計約26万円相当の飲食接待を受け、もって自己の職務に関して賄賂を収受したものであり、本県警察・熊本県警察合同捜査本部による捜査の結果、同被疑者の犯行が明らかとなったことから、令和5年11月10日(金)、収賄の容疑で通常逮捕した。」
との報告があった。

(6) 「津波防災の日」に係る訓練の実施結果について

警察から、
「令和5年11月10日(金)、県警察本部、各警察署、警備部機動隊等において、「津波防災の日」に係る各種訓練を実施した。
九州管区内の各県警察においては、「津波防災の日」(11月5日)に係る取組の一環として、大規模地震発生を想定した津波情報伝達訓練及び広域緊急援助隊緊急出動準備訓練を実施したが、同訓練に加え、本県警察においては、執務時間中の多くの職員が参加できるシェイクアウト訓練を行い、防災意識を高めた。
また、警備課では、九州管区警察局長崎県情報通信部機動通信課と連携した警備本部機能移転訓練を実施した。」
との報告があった。

(7) 令和5年度上半期長崎県情報通信部機動警察通信隊活動結果について

警察から、
「令和5年度上半期長崎県情報通信部機動警察通信隊活動結果」
について報告があった。

(8) 職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の概要について

警察から、
「職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例の概要」
について報告があった。

(9) 「ストーカー行為等の規制等に関する法律」に係る禁止命令等の実施結果について

警察から、
「「ストーカー行為等の規制等に関する法律」に係る禁止命令等の実施結果」
について報告があった。

(10) 「ストーカー行為等の規制等に関する法律」に係る緊急禁止命令等の実施結果について

警察から、
「「ストーカー行為等の規制等に関する法律」に係る緊急禁止命令等の実施結果」
について報告があった。