1 開催日時

令和5年7月13日(木)午後1時15分から午後5時10分までの間

2 開催場所

長崎県公安委員会会議室

3 委員発言

(1) 委員から、

「最近、梅雨であるために雨が多く、九州各地で災害が発生している状況であるが、元機動隊勤務の方から「雨が集中して降り出すと出動の可能性が高まるので、身が引き締まる思いでいつも情報を聞いていた」という話を聞いたことがあった。
今現在、機動隊に勤務している方たちも同様に、すごく緊張しながら時を過ごしているのだろうと思うが、長崎県内における災害発生時の対応に備えている方々はもとより、長崎県内のみならず九州全体のことを考えながら活動している方々に対して、感謝と頑張ってほしいという気持ちを持っている。」
との発言があった。

(2) 委員から、

「警察の中でも、災害時に緊急の対応を必要とする勤務の経験を有している方と会話をすると、話題の内容から、特にこの季節は、天候が気になって仕方がないのだろうと感じてしまう。
今のところ長崎県内では、梅雨に関係する大きな災害は起こっていないが、長崎大水害は7月23日に発生していることからも、梅雨の末期に向けてまだまだ予断は許されないのだと思っている。」
との発言があった。

(3) 委員から、

「最近、大学生や高校生など若い人が大麻を所持して逮捕されるという報道が目に付き、気になっている。
若い人が「どこからどのようにして大麻を入手しているのだろうか」ということはもちろんであるが、「法律で所持が禁止されていることを認識しているのだろうか」とも思う。
大麻について許可されている国もあるが、我が国では所持すること自体が法律で禁止されているのであり、教育委員会等と連携して学生たちに対して再度周知しなければならないのではないかと感じている。」
との発言があった。

(4) 委員から、

「新型コロナウイルス感染症が5類に移行しているが、今、増加傾向にあるとのことである。
「新型コロナウイルス感染症は普通の風邪と同じである」といった風潮もあるが、そうではなく、5類に移行したことで「新型コロナウイルス感染症はインフルエンザウイルス感染症と同じ部類になった」ということである。
インフルエンザウイルス感染症は簡単に検査ができて、しかも治療薬があるのに対し、新型コロナウイルス感染症はまだ明確に効く治療薬がないという状況である。
そのため、新型コロナウイルス感染症はただの風邪と同じではないので、しっかりと用心をしていただきたい。
ただし、用心をするからといって萎縮するということではなく、今まで培ったものを生かしていただきたい。」
との発言があった。

4 警察本部長発言

警察本部長から、
「まず、雨については、7月の始め頃にも随分降っており、御指摘のとおり、我々はずっと緊張感を持って対応している。
また、梅雨が明けたら明けたで、今度は台風に備えなければならないので、今後とも緊張感を持って対応したいと考えている。
次に、大麻については、残念ながら確かに最近増えている。
若い人たちの間で「身体にそれほど悪くはない」だとか、果ては「身体にむしろ良いのだ」などという誤った情報が出回り、その根拠として「合法としている国もある」といったことを持ち出すなど、正確ではない情報が出回っているという話もあることから、これらに対抗するために、一所懸命教育してもらうことをもっと進めていく必要があると言える。
また、大麻については県外から流通してくることもあるので、そういったことも我々は注視していかなければならないと思っている。
次に、喜ばしい話として、最近九州管区内警察柔道・剣道大会が開催され、本県は柔道男子団体が3位となった。
今後は全国大会等もあることから、柔道についてはますます頑張ってほしいし、剣道については捲土重来を期してほしいと思っている。
このように、我々が術科の大会で良い成績を収めることは県民の安心感に繋がると考えているので、今後とも頑張ってほしいと思っている。」
との発言があった。
警察から、
「大麻に関する犯罪は10代、20代の若い世代に非常に多い。
10年ほど前に危険ドラッグが規制がされたが、これに伴い、多くの者が危険ドラッグから大麻に流れることとなり、その後も若者に浸透している状況が続いている。
大麻浸透のキーワードは「SNS」と「違法であるとの意識の低さ」と言える。
仲間内で煙草のように吸うことからか違法性の意識は低く、これに対応する形󠄀で小学校や中学校から薬物乱用防止教室を行っているが、継続してやっていく必要があると感じる。」
との説明があった。
警察から、
「大麻の販売価格は、覚醒剤の約5分の1程度と言われている。
薬物の影響については、覚醒剤は中毒性が高く健康被害も急激に高まる可能性が強いが、大麻は中毒性や健康被害が徐々に進行するため受入れられやすいといった差がある。
検挙された例で言うと、音楽に興味のある者が都市部で開催されたコンサートに行った際に密売グループと接点ができて、「皆で吸おう」という目的で大量に購入するなどといった傾向が見られる。
大麻を使用することで身体に影響があると実体験として分かっていながらも関心があって使用し続けている者がいることから、学校教育だけでなく、少年補導や職務質問などの機会を通じて大麻使用を防止するための対応を行っていく必要があると感じている。」
との説明があった。

5 協議事項

(1) 公安委員会宛て文書に対する措置について(2件)

警察から、
「公安委員会宛て文書に対する措置(2件)(案)」
について説明があり、協議の上、原案どおり決定した。

(2) 運転免許の行政処分(取消し)について

警察から、
「運転免許の行政処分(取消し)(案)」
について説明があり、協議の上、原案どおり決定した。

6 報告事項

(1) 県議会「令和5年6月定例会」の開催結果について

警察から、
「令和5年6月定例会は、6月9日(金)から7月4日(火)までの26日間を会期として開催され、警察関係では議案3件を提出したほか、知事専決事項関係3件についての報告を行い、7月4日(火)の本会議で可決・承認された。
警察本部に関しては、
○ 一般質問においては、
・G7長崎保健大臣会合の警備実施状況
・警察におけるドローン取締りの現状
・信号機のない横断歩道での交通事故の現状
などに関する質問
○ 総務委員会においては、
・遠隔操作型小型車の概要
・長時間労働の是正、パワハラ対策
・児童虐待対策
などに関する質疑
があり、それぞれ答弁を行った。」
との報告があった。

(2) 地域警察官職務質問技能指導員等研修会の実施結果について

警察から、
「職務質問技能指導員としての連携を深めるとともに、相互に職務質問技能及び指導力の向上を図るため、令和5年6月30日(金)、警察本部において「地域警察官職務質問技能指導員等研修会」を実施した。
同研修会には職務質問技能指導員9人、職務質問準技能指導員38人が参加し、
○ 地域部幹部指示
○ 刑事部組織犯罪対策課教養
○ 職務質問技能指導官教養
○ 還元教養
・全国規模専科(大阪府警察)還元教養
・短期派遣研修会(福岡県警察)還元教養
○ 検討会
・若手地域警察官の職務執行力強化について
・薬物事犯の検挙について
○ 地域部長総括
などが行われた。」
との報告があった。
委員から、
「還元教養とは、どういうものか。」
との発言があり、
警察から、
「職員がそれぞれ研修先の現場で体験したことを持ち帰り、その体験した知識や情報、技術を伝え、皆で共有しながら、長崎県警察でも導入することで良い効果が得られるという教育方法である。」
との説明があった。
委員から、
「「このような職務質問を行い犯人を捕まえる切っ掛けを見つけた」といった話を聞いていると、職務質問の質が犯罪を見つけるためにすごく大事な役割を果たしているということが分かる。
そのため、このような研修により得た知識等を、皆に確実に広げていく方法をしっかりと進めていただきたい。
全員が研修に行くことはできないので、研修先で学んだことを皆に上手く伝えることで、質の高い警察の仕事、安全・安心な長崎をつくる仕事になっていくのだと思う。
頑張っていただきたい。」
との発言があった。
委員から、
「職務質問技能指導員や職務質問準技能指導員に女性はいるか。」
との発言があり、
警察から、
「現在、女性の指導員等はいない。
それは、交番に勤務する女性警察官のうち約8割が拝命5年未満の若手であり、指導員という立場になるには階級や経験が足りないという理由と、指導のできるような女性警察官はほかの業務に登用されることが多く、地域警察官としてのキャリアを積ませることが困難であるという理由がある。
他県警察においては女性の職務質問技能指導員等が活躍していると聞いているので、是非、長崎県警察でも女性の職務質問技能指導員等を育てたいと考えている。」
との説明があった。
委員から、
「女性に対して職務質問をする場合もあるのではないか。
そして、女性に対する職務質問の方法というのは、女性が技能指導するほうがより効果が上がるのではないかと思う。」
との発言があり、
警察本部長から、
「今いただいた御指摘については、そのとおりだと思う。
女性に対する特有の職務質問の仕方があるに違いないわけであるから、「当県の地域幹部に女性がいないから女性の職務質問の指導はできない」ということでは足りないと思う。
少なくとも現場の女性警察官はいるのであり、その人たちに対する指導を男性だけでなく女性の観点も含めて実施する方が良いのであるから、他県警察にそのような人がいるのであれば、講師として招いて指導してもらう機会を設けていこうと思う。」
との説明があった。
委員から、
「職務質問技能指導員等が現場の警察官に対して職務質問の指導をするというのはどのようなタイミングで、どのように実施しているのか。
また、職務質問の技能を競うような大会はないのか。」
との発言があり、
警察から、
「警察署では朝から当番勤務を交代する際の事務引継ぎを行うが、その時間にロールプレイング形式の研修等を行っている。
また、警察本部地域課には職務質問指導班という係があり、テレビ会議システムを活用して警察署の若手地域警察官にロールプレイング形式での実演を見せる教育を行っている。
職務質問に関する競技大会については、警察署単位であれば実施しているところがある。」
との説明があった。

(3) 令和5年上半期における犯罪情勢について

警察から、
「令和5年上半期における全国の刑法犯認知件数は33万3,003件で、戦後最少を更新した前年同期と比べて58,123件増加し、21.1パーセントの増加率となっている。 検挙件数・検挙人員についても前年同期と比べて増加しているが、検挙率は37.6パーセントと前年同期と比べて5.9ポイント低下している。
九州管区における刑法犯認知件数は3万3,000件で、前年同期と比べて6,378件増加し、24.0パーセントの増加率となっている。
検挙件数・検挙人員についても前年同期と比べて増加しているが、検挙率は43.1パーセントと、前年同期と比べて6.0ポイント低下している。
本県における刑法犯認知・検挙状況については、
○ 刑法犯認知件数 1,828件(全国で少ない方から第12位(管区第3位))
○  検挙率 54.6パーセント(全国で高い方から第10位(管区第1位))
○  犯罪率(人口10万人当たりの認知件数) 142.5件(全国で低い方から第5位(管区第2位))
となっており、罪種別の認知件数では、凶悪犯、粗暴犯、窃盗犯、知能犯及びその他の刑法犯(器物損壊等、住居侵入など)が増加し、特に全刑法犯の約6割を占める窃盗犯が、前年同期比で134件(14.8パーセント)増加した。」
との報告があった。
委員から、
「検挙率というのは、検挙件数を認知件数で割ったものだと認識しているが、凶悪犯や風俗犯などでは検挙率が100パーセントを超えている。
検挙件数が認知件数よりも多いのはどういうことか。」
との発言があり、
警察から、
「認知件数は今年認知したものを計上するが、検挙件数は昨年以前に認知した犯罪を検挙した場合や他県で認知した犯罪を検挙した場合も計上することとなる。
そのため、例えば窃盗犯等で余罪が数多くある被疑者を検挙した場合には、検挙率が100パーセントを超えることもある。」
との説明があった。
委員から、
「一定期間で認知したもののうち、どれだけ検挙したというものではないということか。」
との発言があり、
警察から、
「そのとおりであり、一定期間に認知した件数に対して、どれくらい検挙したかということは算出していない。」
との説明があった。
警察本部長から、
「便宜的に、比較のためにこのような計算の仕方をしているということである。
検挙率が100パーセントを超えるということは、「昔の事件で滞っていたものを検挙するなど、少しずつ事件を解決している」という意味にも捉えることができる。」
との説明があった。

(4) 令和5年第2四半期における処分等及び本部長表彰について

警察から、
「令和5年第2四半期(4月~6月)における被処分者等数(懲戒処分及び監督上の措置)は4人(前年同期間比-5人)であり、令和5年上半期における被処分者等数の累計は7人(前年同期比-7人)となっている。
また、同期間中、事件検挙や学業等に関する功労等に対する本部長表彰を行った。」
との報告があった。

(5) 公安委員会宛て苦情申出の受理について(2件)

警察から、
「公安委員会宛て苦情申出の受理(2件)」
について報告があった。

(6) 令和5年度九州管区内警察柔道・剣道大会の開催結果について

警察から、
「令和5年度九州管区内警察柔道・剣道大会の開催結果」
について報告があった。

(7) 令和5年夏の定期人事異動の日程等について

警察から、
「令和5年夏の定期人事異動の日程等」
について報告があった。

(8) 令和5年上半期における暴力団対策法に基づく公安委員会の事務の専決事項等の報告について

警察から、
「令和5年上半期における暴力団対策法に基づく公安委員会の事務の専決事項等の報告」
について報告があった。

(9) 令和5年上半期における小型無人機等の飛行に関する通報の受理に係る専決状況について

警察から、
「令和5年上半期における小型無人機等の飛行に関する通報の受理に係る専決状況」
について報告があった。