被害者の抱える様々な問題
犯罪の被害に遭われた方は、命を奪われる、怪我をする、物を盗まれるなどの生命、身体、財産上の直接的な被害だけでなく、新たに生じるいろいろな問題に直面します。犯罪被害後に生じる様々な問題は、総じて「二次被害」と言われています。
- 事件に遭ったことによる精神的ショックや身体の不調
- 医療費の負担や失職、転職による経済的困窮
- 捜査や裁判の過程における精神的、時間的負担
- 周囲の人々の無責任なうわさ話やマスコミの取材、報道による精神的被害
- 加害者側からの報復や、また同じ被害に遭うのではないかという不安・恐怖
長崎県警察では、このような被害者の方の抱える負担が少しでも軽くなるように、被害者の方を支援する取組みを行っています。
被害者の心理
犯罪の被害に遭われた方やそのご家族が抱える問題の中で、精神的被害は深刻です。
犯罪被害を受けた後は、一種のショック状態が続き、身体にも心にも変調をきたすことがあります。これは異常なことではなく、突然大きなショックを受けた後には、誰にでも起こり得るものです。
心理的反応 | 身体的反応 | 感覚的反応 |
恐怖感 自責感 不安感 無気力・絶望感 孤独感・疎外感 怒り・復讐心 |
緊張・動悸・下痢・吐き気 不眠・悪夢 食欲不振 |
感覚・感情の麻痺 現実だという感覚がない 自分が自分でないと感じる 記憶力、判断力の低下 |
トラウマとPTSDをご存じですか?
トラウマ(Trauma:心的外傷)
一般に犯罪や事故による被害、自然災害、戦争被害、家族や友人の死などの個人では対処できない衝撃の大きな出来事に遭遇したときに受ける精神的な傷を言います。
PTSD(Posttraumatic stress disorder:心的外傷後ストレス障害)
一般に事件等の出来事によりトラウマを受けた人が、その出来事の数週間から数ヶ月後に
- 事件等を思い出したり、夢を見たり、その時の苦痛をたびたび再体験する
- 事件等の現場に近づけないなど、事件等を思い出させる行為や状況を回避する
- 常に緊張して眠れなかったり、びくびくしたりする状態が長期間にわたって続く
などの持続的な精神的、身体的な症状を呈することをいい、犯罪被害に遭われた方や家族に起こりうる症状です。
犯罪被害者支援の必要性と取組み
警察は、犯罪発生後、被害に遭われた方にとって最も密接に関わる機関です。
長崎県警察では、平成11年12月に「長崎県警察被害者対策推進要綱」を制定して以来、被害に遭われた方やそのご遺族の方の各種支援施策に取り組んできたところですが、令和3年3月に「第4次犯罪被害者等基本計画」が閣議決定されたことを受けて、令和3年5月に「長崎県警察犯罪被害者支援基本計画」を新たに制定し、支援の充実に努めています。
長崎県警察「犯罪被害者支援室」
犯罪被害者に対する支援業務を行うため、平成16年8月に設置されています。
被害者支援に関する問い合わせ
電話 095-820-0110
※受付時間 月~金曜日 9:00~17:45
長崎県警察本部 又は お近くの警察署へ