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平成22年12月25日、伊達直人と名乗る人から群馬県の児童相談所へランドセルを贈られたことを皮切りに全国各地でも匿名で養護施設などへ寄付行為が相次ぎ、「タイガーマスク現象」と呼ばれるような社会現象になりました。

長崎県警察でも、匿名の方が長崎県警察へ現金を寄付されている「ASグループ基金」が60年以上続いていますので、ご紹介します。

昭和31年3月、「気の毒なお友達へあげてください。A子・S子17歳」という便りとともに現金が長崎県警察本部へ送られてきたのをきっかけに、二人の名前から「ASグループ基金」と名付けました。

その後、仲良しの同級生「Y子」さんも加わって毎月のように送金されるようになり、このことがマスコミで報道されると全国的に反響を呼んで寄付される人や金額が増え、長崎県警察では「ASグループ基金」から福祉施設などに寄付していました。

その後、しばらくすると寄付される人や金額が少なくなりましたが、A子さん、S子さん、Y子さんは便りとともに寄付を続けられ、長崎県警察では昭和48年から毎年1回、「ASグループ基金」から「長崎県愛の福祉基金」に寄託することにしました。

悲しいことにY子さんは若くして亡くなられたのですが、その後も「A子・S子・Y子」さんの3人の名前で寄付が続けられ、平成16年12月からは「Y子の娘」さんが亡くなられた母親であるY子さんの遺志を継いで寄付に加わりました。

平成18年2月、高齢となったA子さんとS子さんが最初の寄付から50年の節目を迎えて卒業され、その後はY子の娘さんが寄付を続けられていたところ、令和3年12月から「N子」さん(Y子の娘さんの義弟の姉)がASグループ基金の趣旨に賛同して寄付に加わり、現在まで1年に2回、二人の連名で近況の便りとともに寄付を続けられています。

令和4年も、Y子の娘さんとN子さんから7月19日と12月23日に寄付があり、寄付金は「ASグループ基金」として令和5年1月31日に「長崎県愛の福祉基金」に寄託しました。